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建築に触れる、念願の新婚旅行・北海道
結婚当初はコロナの影響で延期し、「新築が完成したら行こう」と夫婦で話していたので、実に3年半越しの新婚旅行です。行き先は、自然と建築の融合が魅力の地・北海道。美味しい食と建築の両方をたっぷりと満喫してきました。
旅の初日はグルメ三昧。地元で人気の回転寿司「とりとん」では、鮮度抜群のネタがずらり。特に“生秋刀魚”の握りには感動しました。脂ののった旨味が絶妙で、思わず4皿もおかわり。ほかにも海鮮丼やラーメン、そして北海道限定の「カツゲン」を毎日堪能し、改めて「旅の醍醐味はその土地の味」だと実感しました。
そして、今回の旅のもう一つの目的は「建築に触れること」。
まず訪れたのが、安藤忠雄氏設計の〈頭大仏殿〉。丘の上にひっそりと佇む大仏を覆うように設計されたコンクリートの構造体は、まるで自然と建築が一体化したかのようでした。アプローチのトンネルを抜けた瞬間、光に包まれる空間の美しさに圧倒されました。光と影のコントラスト、コンクリートの質感、そして音の響き方――どれもが空間を構成する大切な要素であり、改めて“建築の力”を感じる場所でした。
夫婦で一番楽しみにしていたのが、イサム・ノグチが設計した〈モエレ沼公園〉。
広大な敷地全体が一つの彫刻作品のようにデザインされ、自然と人工が見事に調和していました。芝生で遊ぶ子どもたちの姿も、空間の一部として美しく感じられるほど。自転車を借りて園内を巡ると、見る角度や位置が変わるたびに新しい風景が現れ、まるで“動く建築”のような体験でした。イサム・ノグチの思想と美学に触れ、つい照明やポスターを衝動買いしてしまうほど心を動かされました。
旅を通して感じたのは、「建築は人の感情を動かす力を持っている」ということ。
スケールの大きさや素材の美しさだけでなく、“空間の余白”や“自然との関わり方”が、人の心に深く残るのだと改めて実感しました。北海道の大地で感じたこの感覚を、これからの家づくりにも活かし、暮らしの中に心地よい“建築体験”を届けていきたいと思います。
日本の四季を感じる家づくり
気がつけば葉の先が少しずつ色づきはじめ、秋の気配を感じるようになりました。皆さんも、朝晩の空気や窓の外の景色から季節の移ろいを感じていらっしゃるのではないでしょうか。日本の四季は本当に豊かで、その中でも私は紅葉が大好きです。だからこそ、この美しさを暮らしの中に取り入れられたら、毎日がもっと心地よくなるのではと考えるようになりました。
これまでは家づくりというと「デザイン」「仕様」「性能」といった機能面に目がいきがちでした。しかし、本当の心地よさは五感で感じるものだと思います。窓から眺める景色、木の香りや風の音、家族や友人との会話、床の温もり。そうした小さな心地よさの積み重ねが、日常を豊かにしてくれるのだと思います。
家を「ただ住むための場所」とは考えなくなりました。むしろ、人生を共に歩んでくれる存在として、その人らしい時間や思い出を支える舞台であってほしい。どんな景色を窓から切り取りたいのか、どんな音や光に包まれて暮らしたいのか。一緒に思い描きながら形にしていくことが大切だと感じています。
これからも四季の変化を楽しみながら、人と家とのつながりを大事にし、五感で「心地いい」と思えるような暮らしをお届けしていきたいと思います。紅葉が美しく色づくこの季節、身近な自然を味わいながら日々の中に小さな豊かさを見つけていきたいと思います。
夢のマイホーム計画
entの向出京平です。
小学生の頃から「いつか結婚して自分の家を建てたい」という夢を抱いていました。ありがたいことに妻も同じ思いを持っていて、結婚をきっかけにその夢は一気に現実味を帯びていきました。
大工であり設計士でもある祖父や叔父の姿に憧れて育った私は、自然と建築の世界に惹かれ、高専では建築デザイン科へ進学。設計の面白さに触れたことが今の仕事につながっています。学生時代、内覧会のお手伝いをしていた頃から「ほっとハウス長谷川建築」の家には特別な魅力を感じていました。自然素材に囲まれ、お洒落でありながら暮らしにしっかり寄り添っている家。「普通じゃないのに、心が落ち着く」。そんな住まいに惹かれ、「私もこんな家を建てたい」と思ったのが入社のきっかけです。妻もまた内覧会に訪れるたびに「こんなお家に住みたい」と話してくれ、私たちの家づくりは自然と同じ方向を向いて進んでいきました。
設計士として多くの住まいに関わるなかで、私が目指すようになったのは「境界線のない家」です。年齢や時代、性別や国境など、あらゆる境界を越えて誰にとっても心地よく、暮らし方の変化にも柔軟に応えられる住まい。私たちが何十年経っても心地よく過ごせて、もし将来この家を誰かに譲ることになっても、その人がまた幸せに暮らせる。そんな“余白”のある家こそ、人に寄り添う住まいだと思っています。
そして大工としても、どうすれば地震に強く、健康的で快適な家をつくれるのかを常に考えてきました。「自分の家だったらこうしたい」という思いをお施主様の家づくりに活かすうちに、その経験は自然と私たちの住まいの理想にもつながっていきました。
設計士としての理想と大工としてのこだわり。その両方を大切にしながら、私たちらしい家のかたちを少しずつ形にしていきました。これからはこの家で、四季を感じながら穏やかに暮らし、友人や家族と集いながら、日常のひとつひとつを楽しんでいきたいと思います。私たちの新しい暮らしは、この住まいから始まっています。