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【私たちがグッドデザイン賞に応募した理由】
このたび、私たちが設計・施工した「ent」を、グッドデザイン賞へ応募しました。
結果はまだ分かりません。
ですが、今回の応募は「賞を取りたい」という気持ちだけではありませんでした。
私たちが日頃から大切にしている家づくりの考え方を、多くの方に知っていただくための一歩として応募を決めました。
家は、ただ新しく建てるものではないと思っています。
そこには、その土地の歴史があり、人とのつながりがあり、家族の思い出が積み重なっていきます。
私たちの地元・三重には、昔ながらの瓦屋根が美しい町並みが今も残っています。
しかし一方で、空き家の増加や人口減少により、その風景や地域のつながりが少しずつ失われつつあります。
「新しい家を建てることで、地域の風景を未来へつなぐことはできないだろうか。」
そんな想いから生まれたのが、「ent」です。
瓦屋根の長屋を現代の暮らしに合わせて再解釈し、三重県産の木材を使い、地元の職人さんと一緒につくり上げました。
「ent」には、「縁」という意味を込めています。
家族との縁。
地域との縁。
人と人との縁。
家は暮らすための箱ではなく、人とのつながりを育む場所であってほしい。
そんな願いを込めています。
完成してから嬉しかったことがあります。
家の前で近所の方が立ち止まって話をしたり、紅葉の季節には自然と人が集まったり。
住宅でありながら、地域の皆さんが気軽に立ち寄れる場所になり始めています。
その光景を見たとき、「この家を建てて本当に良かった」と心から思いました。
私たちは創業以来58年間、地域密着の”町医者大工工務店”として、新築だけでなく修繕や住まいの困りごとにも向き合ってきました。
建物を建てることが仕事ではありません。
その先にある暮らしや、人とのつながりを守ることこそが、私たちの役目だと考えています。
今回のグッドデザイン賞への応募も、その想いを形にした挑戦です。
受賞という結果ももちろん嬉しいことですが、それ以上に、この家づくりの考え方に共感してくださる方が一人でも増えることを願っています。
これからも地域に寄り添いながら、この場所だからこそ生まれる暮らしを、一棟一棟大切に届けていきたいと思います。
